天皇杯4回戦鹿島対神戸オズワルド・オリヴェイラ監督のコメント

久々の逆転勝利となったが、チームの調子が上向いていると実感しているか?


「いい結果が出なかった時期には、先制されると逆転できないとかいわれ、選手たちも多少モチベーションの低下はあった。しかし、選手たちからそれを打開しようという強い意欲を感じ取れたし、そういう状況を変えようという姿勢が見られたので、それをやり続けるだけのことだった。

確かに先制されたが、ここ最近見せていた落ち着きが見られたし、2得点とも練習で狙った形のパターン、練習の積み重ねが結果として出るということが証明された。

自分たちが相手の弱点を、こういうふうに崩すんだと意識付けしたところで、選手がそれを表現してくれたのではないかと思う。

ここ数試合は無失点という状況だった。また、連勝することも出来ていた。今回は失点をしたが、僕は悲観的な形で失点していたことを受け止めていたわけではないし、逆に落ち着いてやり続けたことが良かったのではないかと思う。」



前半はボールがよく回ったと思うが、後半は苦しむ場面も見られた。今日の試合を振り返って前半、後半の評価は?


「前半は最近の試合で見てきたような形になっていた。主導権を握って、自分たちのリズムでチャンスを多くつくり、相手にもチャンスをつくらせない、危険なゾーンまで入らせないことが出来ていたのではないか。

後半は、相手が調子を良くしてきたのではないかと思う。多少選手の配置であったり、試合に慣れた部分が出て、自分たちが本来やっていたことをでき始めたのではないかと思う。

彼らが主導権を完全に握ったとは思っていないが、相手がある程度良くなったということは事実だと思う。」



4人の選手がいない中での勝利は非常に大きな意味を持つと思うが、この勝利は監督にとってどういった意味を持つか?


「増田選手は、右サイドなど、必要に応じいろいろなところをやらせている。僕自身は、彼に対する信頼、彼の能力を評価しているが、それが開花するのか、どうすればパフォーマンスが安定するのか、もしかして時間が必要かもしれないし、早い段階で発揮されるかもしれないと思っていた。

今回、右サイドバックをやってもらったが、本当に素晴らしいパフォーマンスだったと思う。彼の力は、相手のゴールに対して正面を向いたときにはかなりのプレー威力があると思う。それは、パスミスが少ない、パワーがある、スピードもあるという部分で、攻撃の能力が発揮される。

後ろ向きでプレーをすると、どうしても力が発揮できない特徴を持っている。また、右でやるにしてもどこでやるにしても、彼が見せる適応能力は非常に素晴らしいと思う。

要求された役割や機能性をしっかりと発揮できるようになってきた、という成熟さや戦術理解度が高まってきたということが、非常に評価できるところ。今後もまだ成長していく部分が大きいと思うし、今後とも楽しみな選手のひとりではないかと思う。

大岩選手は、もとはチームのレギュラーとしてプレーしていた選手。そんなに違和感はなかったと思う。

またパク選手も、シーズン当初は試合に出ていたし、途中に調子を落としてしまったので、またこういったレギュラーのチャンスで力を発揮してくれたのではないかと思う。

もうひとり田代選手は、前半に我々があれだけ主導権を握れたというのは、彼が不安定をもたらすという役割と機能性があったと思う。やるべき役割をしっかりと整理してやってくれるので、非常に助かる部分がある。

4人も代わった中での勝利に関しては、チームにとっても非常に大きな意味を持つ勝利だと思う。また残りのリーグ戦と天皇杯の試合に関しても、大きな意味を持つ結果になったのではないかと思う。」



後半途中で増田誓志選手が足をつっていたが、交代させずにひっぱった理由は?


「増田選手が足をつったあとのプレーを観察してもらえば、彼がまだ良い状態だったことがわかると思う。立ち上がって、その後も攻撃に絡んだし、その後も帰陣して守備もやったし、またダッシュも出来ていた。

点を取らなければいけないという状況のなかで、彼の攻撃のセンスを活用しなければいけなかった。点を取った後は、失点してはいけないので、そこでフレッシュな選手で守備を安定させ、チャンスがあれば攻撃参加するという要求を出した。選手の足がつったからといって、すぐに交代する必要はないと思うし、次の反応を観察しないといけないと思う。」



久々なので、だいぶ長くコメントだったが、あまり要約せずに載せてみた。


逆転勝ちは見ていてハラハラするけれど、とても気持がいいね。


監督のコメントも相変わらず、サッカー以外にも役に立つような言葉がたっぷりと含まれていて、人生勉強にもなるね。