安岡正篤語録その2 自ら反る 

「君子は自ら反(かえ)る。『自反』ということは、『論語』、『孟子』の根本精神といってよい。自ら反る、自らに反る。自分で自分に反る。例えば、つまずいてけがをした。「こん畜生!」といって石を蹴る人間がある、そういうのはつまらない人間である。つまずいた時、「ああ、うっかりしていた。おれもまだいけないぞ。」と反省する。例えば武道の達人だったら、つまずいてひっくり返るとかいうことは決してない。物につまずいてひっくり返るなんて、これは迂闊のいたすところだ。修行未熟のいたすところだ。だからそういう時には、「しまった。おれもうっかりしておった。」と自ら反る。それが確かな人であり進歩する人だ。そこからも非常に変わってくる。」


論語にも曽子の言葉として、

「私は毎日、何度も我が身について反省する。」とある。


「自ら反る。」かなり難しいことだけど、心がけたいね。