詰将棋の魅力その50 信じられない手順が出現する 


「王様殺人事件」より。
13手詰の問題。



初手、3三に逃がさぬよう下からの角打ち。
5一角では飛車に取られてしまうので、4二角が正解。
1四玉に、



3手目、1五角成と、今打ったばかりの角を成り捨て。
同玉の一手に、



5手目、今度は5一角!
この意味は、作意の最終手になってやっとわかる奥の深い手。
後手1四玉(5一同飛は2五金で詰み。4二歩と中合いしても、同角成、1四玉、1五歩、2三玉、2四金、2二玉、33馬迄)から、
1五金、2三玉、2四金、3二玉、3三金、4一玉、4二金迄。


もし、5手目を4二角とすると、最終手の4二金が打てず、玉に逃げられてしまうのだ。
5一角は、最後に4二金を打てる余地を残しておくための事前準備の手であった。


盤に並べると面白さが増す、シンプルだが奥の深い作品。
作家の凄い才能を感じるね。