将棋

詰将棋の魅力その98 一間龍のかたちをつくる

「ドーンとチャレンジ9手詰」より。 初手、2一金や3二金は、1三玉と逃げられると詰まない。 そこで、「詰将棋とは駒を捨てることと見つけたり。」ということで、いきなりの2一角成が正解。 玉を逃げては早詰となる(1三玉なら1六飛、1四合駒、1二金…

詰将棋の魅力その97 「待宵」第21番

11手詰の問題。 初手は、手筋の1二角成。 ここで、同玉は2三金迄、同香は、2三銀、3一玉、3二金、同金、同と迄の早詰となる。 よって、3一玉の応手が正解。3二銀、同金となって、 2二金が金を呼び寄せる連続の捨て駒。以下、同金に(4一玉は3二…

詰将棋の魅力その96 「待宵」第20番

11手詰の問題。 初手は、5二金と応手を打診する。同玉では、4三角、6二玉、5一飛成、同玉、5二金迄の早詰なので、同金と取るのが正着。 続いて7二金。一瞬わざわざ玉を逃がすような手にみえるが、同玉の一手(同銀は7一角迄)に、 6一角が決め手と…

詰将棋の魅力その95 銀の打ち場所

「ドーンとチャレンジ9手詰」より。初手、4二銀では詰まないので、2二銀と打つ。 同龍の応手では、3四銀、2四玉、2二龍、3五玉、3六飛迄の早詰。 よって、2三玉の逃げに、1二銀と重ね打ち。 同玉の一手に、 3四角が眼目の一手。合駒すれば1一龍…

詰将棋の魅力その94 「待宵」第19番

7手詰の問題。 「詰将棋手筋教室」でも紹介されている傑作。 初手は、これ以上先に逃げられては困る「限界点」への捨て駒となる3二飛。 3二金右の応手では7四角、4二玉、4一飛迄の早詰となるので、3二同金左と取る。 この形ではまだ7四角は時期尚早…

詰将棋の魅力その93 角、桂の成り捨て

「ドーンとチャレンジ9手詰」より。初手、3一銀成、同玉、3三飛成で詰みそうだが、2一玉、2四龍、2三金打と防がれてうまくいかない。 よって、3二角と持ち駒を打つ。同玉では1二飛成からの早詰なので1一玉と逃げるが、2二桂成と捨て同玉とさせ、 …

詰将棋の魅力その92 「待宵」第18番

9手詰の比較的易しい問題。 初手は、7二金。9二玉と逃げる一手に、8四桂と手筋の一着。 同歩と取る一手に、8二金と寄って、同玉、8三銀、7一玉、7二銀成迄。 これは今までも何回か出てきた、桂馬の上手い使い方を復習する作品だね。

詰将棋の魅力その92 「待宵」第17番

13手詰の問題。初手、2四金と歩頭に捨てる手が決め手ともいえる。同歩では2三金迄なので、同玉と取るが、2五金と打てば、1三玉と逃げる。 そこで、1四金と香車をとりながら迫るのが好手。同玉の一手に、再度2四金として、同玉の応手に、2五香と打っ…

詰将棋の魅力その91 「待宵」第16番

13手詰の問題。初手は5二歩成から入る。 3一玉(3二玉は、2四桂、同歩、4二と、同玉、5一金銀、3二玉、4一角成、同玉、4二金迄の早詰)の逃げに、4一と、と追いかける。 3二玉とかわすが、 ここで、2四桂と、角とのコンビで詰ます事前工作。 …

詰将棋の魅力その90 「待宵」第15番

9手詰の問題。 初手は、横への逃げ道を断つ6二飛。8三玉の逃げに、8四歩とたたく。 同玉の一手に、8二飛成と迫る。合駒の利かない開き王手なので7五玉と逃げるしかないが… 8五龍の捨て駒が決め手。同玉と取る一手に、8六金迄。 いつも感じることだけ…

詰将棋の魅力その89 香頭の飛車捨て

「塚田詰将棋代表作」より、5手詰の問題。 初手、2四角打ちでは、1二玉で不詰め。 よって、初手は2二銀。同金の応手(1二玉なら1三飛、同桂、1一銀成迄)に、1二飛と香頭に捨てて、同金としてから2四角成で詰上がる。 玉の逃げ道をどんどんふさいで…

詰将棋の魅力その88 「待宵」第14番

11手詰の問題。 初手は、3二銀と打つ。4二玉と逃げるが、5一銀と逃げ道をふさごうとする。同玉と取りながら逃げるのが最強の応手となる(同金引きは2三銀成、3一玉、3二成銀迄)が… ここで1一飛成が、初手3二銀の利きを活かす好手。合い利かずなの…

詰将棋の魅力その87 「待宵」第13番

11手詰の問題。 初手は、1三への逃げ道を牽制する3一角。 同玉の一手に、今度は1三角と、逃げ道をふさぐ角打ち。 同桂と目的を達成して、以下収束に向かう。 2二銀と桂打ちの事前工作をして、同玉の一手に、3四桂と打てば、3一玉と最強の粘りで応じ…

詰将棋の魅力その86 「待宵」第12番

5手詰の問題。 初手、3二飛成とすると、1一玉と逃げたときに打歩詰めとなって1二歩が打てない。 よって、初手は3二飛不成。1一玉となって、今度は不成の効果で1二歩が打てる。 以下、2一玉、3三桂不成でピッタリ詰む。 打歩詰を打開する不成の手筋…

詰将棋の魅力その85「待宵」第11番

11手詰の問題。初手は、1三からの脱出を防ぐ3一角。 同玉では頭金までなので、1二玉の一手に、2四桂と、わざわざ上方への逃げ道をつくってあげるようだが、 3四角と打ち、同龍となれば、後は角と金とのコンビで、2二金、1三玉、3二金、2三玉、2…

詰将棋の魅力その84 「待宵」第10番

9手詰の問題。 守備駒の角の利きを避けながら攻める。 初手は、3一金。1一玉の応手(1二玉は、2一銀、2二玉、3二馬、1一玉、1二銀成、同玉、2一馬迄の駒余り)に、 1二歩が銀の活用を図る手。同玉の応手に、2一銀、1一玉となったところで、再度…

詰将棋の魅力その83 「待宵」第9番

5手詰の問題。角の利きをどうはずすか。 初手、平凡に5三金では、3一玉となって、1段目に飛車を打っても上手くいかない。 よって、初手は2二飛と飛車捨て。同角と利きをずらして、5三金、3二玉、4二金迄。 初手の飛車打ちが決め手の問題だね。

詰将棋の魅力その82 「待宵」第8番

5手詰の問題。 持ち駒が金2枚なら簡単な並べ詰みだが… 金はとどめに残して、初手は2三銀。 1三玉と狭いところに追い込んで、ジャマ駒となった銀を成り捨てる1二銀成が決め手。 以下、1二香、2三金迄(1二玉も2三金迄)。 「詰将棋とは駒を捨てるこ…

詰将棋の魅力その81 「待宵」第7番

13手詰の問題。 初手は、手筋の3三角。同金(同桂は6一飛、4二玉、4一金、5二玉、6二歩成迄)と取るが、 6一飛が絶妙手。同玉では頭金で詰むので、4二玉と逃げ、以下4一金、3二玉、3一金、2二玉、2一金、1二玉、1一金、2二玉、2一飛成迄…

NHK杯での羽生名人の解説

『ものぐさ将棋観戦ブログ』でとてもいい言葉を見つけたので、転載させていただく。 先週のNHK杯で解説していた羽生名人を賞した言葉。 「単に思いついたことを言うのでなく、なにを言うべきか言わないでおくべきか、どうすれば視聴者が興味を持って見続…

詰将棋の魅力その80 「待宵」第6番

17手詰の問題。大駒をバサバサ捨てる。 まず初手は、4四角と逃げ道に先着する角捨て。同歩の応手(3三香なら、1一飛成、同 玉、3三角成、2二歩、1二銀迄)に、 2一飛成と飛車も捨てる。同玉の一手に、3二銀、2二玉と進んで、 1二角成とすれば、…

詰将棋の魅力その79 「待宵」第5番

7手詰の問題。 真っ直ぐ上部に逃げ道をもっている玉をどう捕まえるか。 玉を自分の方に引きつけて、自由に行動をさせないようにするには、2五玉は絶対に許さない方針でいけばよい。 急いで1三金では、同玉と取られて失敗。 よって、初手は3三金。3三桂…

詰将棋の魅力その79 連続の犠牲打

「ドーンとチャレンジ!9手詰」より。 初手、2一龍は1四玉で詰まない。よって、上方への逃げを防ぐ1三龍。 3二玉の一手に、 2三角と、斜めの逃げを制するため、角の働きを活用する。 なお、このときに2二龍では、同玉、3一角、2三玉で詰まない。 同…

詰将棋の魅力その78 「待宵」第4番

一昨日に続いて7手詰の問題。 初手は、上から攻めても一枚足らないので、8二銀と斜め下から迫る。 8四玉の一手(9四玉は9五銀迄)に、 9四金が眼目の捨て駒。 同玉なら9五銀迄なので同香と取るが、9三銀、同桂と7三への桂の利きをなくして、7三銀…

詰将棋の魅力その77 「待宵」第3番

3日続いて同じ作品集から7手詰の問題。 初手、3五角や3五金と上から攻めるのは上手くいかない。 よって、初手は1三角。2五玉の一手(1三同玉は2三金迄)に3五角成が決め手。1六玉と歩を取って逃げるが、1七銀と退路をふさぎ、同金の応手に2六金…

詰将棋の魅力その75 「待宵」第1番

棋聖天野宗歩の弟子である渡瀬荘治郎の作品から、7手詰の問題。 初手は、後に銀で斜め後ろから攻められるよう、桂を釣り上げる1三銀。同桂の一手(同玉は1四金、2二玉、2三金迄)に、 1二金と捨て駒をして、同玉の一手(同玉は2一銀成迄)に、 事前工…

河口俊彦著「大山康晴の晩節」

お盆休み中に読んで、大変深い感銘を受けた本。 平成4年に69歳で亡くなるまで順位戦A級を守り続けた稀代の勝負師は、常に高い目標を掲げ、それを達成するために全力を尽くす努力の達人であったことがとてもよくわかる。 若い時には木村義雄や升田幸三に…

詰将棋の魅力その74 詰図揺籃集より 

田邊重信「詰図揺籃集」より、17手詰の問題。 最初の数手に紛れが多く、英断を要する。 初手2三桂は絶対手で、同香と香を釣り上げ、 3三角打ちから、同金、 2二龍、同玉、 3三龍と、もう一枚の龍で金を入手するまでの手順がわかりにくく、巧妙なねらい…

詰将棋の魅力その73 続々塚田正夫先生の長編を味わう

きのうに続いて、「昭和詰将棋秀局懐古録」に載っていた29手詰の問題。 初手から、▲5二金、△3二玉、▲4二金、△同玉、▲3三歩成、△同桂に、(△5三玉は、▲4三と、△6二玉、▲3五角、△7二玉、▲7六飛、△7三歩、▲7一角成、△8三玉、▲7四銀打、△同歩、▲…

詰将棋の魅力その72 続塚田正夫先生の長編を味わう 

「昭和詰将棋秀局懐古録」に載っていた39手詰の問題。 初手から、7一角、9二玉(7二玉は6二金、同飛、同馬迄の早詰)に、桂馬を釣り上げる手筋の9三歩、同桂、8二金として飛車を入手する。 同飛の一手に、同角成、同玉となって、眼目の74桂。 この手…